2012 ジャック・ボワノス / シャトー・レ・ヴィミエール 赤 750ml

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¥ 5,060 税込

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商品コード: 1802

【原産国】 フランス

【地方】  ボルドー地方

【原産地呼称】 オー・メドック

【ブドウ品種】  カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー30%

【タイプ】  フルボディ

【アルコール度】  13%





【税抜き本体価格  4,600円】

世界の頂点に君臨する最高品質のワインを量産できる場所としてボルドーを凌ぐ場所はない。

最上のボルドー・ワインからは上流階級の女性が備えている育ちの良さや物腰の優雅さがにじみ出る。
溢れる果実味,継ぎ目のないタンニンときれいな酸,黄金律に縁取られた液体の宝石には古今東西の世界の著名人に愛されてきた栄光と歴史の物語が宿っている。我々の五感のみならず知的な興奮も駆り立ててくれる最高のボルドー・ワインを一度も口にすることなく死んだら,必ず後悔するだろう。
ワインが,「ボルドーに始まりボルドーに終わる・・・」と言われる所以はそこにある。

ボルドーには世界に名立たる醸造家が顔を揃える。
ミシェル・ロラン,ドゥニ・デュブルデュー,ステファン・ドゥルノンクール・・・。

しかし,表舞台には登場しないものの,ジャック,そしてエリックのボワスノ親子以上にメドックの超一流シャトーに絶大な影響力を与えている醸造家はいない。
なぜなら,彼らはムートンを除くすべての1級シャトー,コス,ラスカーズ,パルメ,ピション・ラランドといったスーパー・セカンズのほぼすべてと,メドックの格付けシャトーの実に6割のコンサルタントを一手に手掛けているからだ。事実,ボワスノは「メドックにあるぶどう畑のすべての列を把握している」と言われており,フレデリック・アンジェラやジャン=ギョーム・プラッツ,ポール・ポンタリエといった実力者から尊敬を込めて「メドックの守護神」と呼ばれている。

故エミール・ペイノーの右腕として1963年にシャトー・ラトゥールでコンサルタントを始めたのを皮切りに,45年以上にわたり活躍を続けるボワスノは,1960年代からのワインの味わいをすべて覚えているという。

時代や経済状況に応じてシャトーのオーナーは代わり,経営方針も変化する。消費者の嗜好も変わる。しかし,ボワスノの舌に宿るテロワールの記憶は存在し続ける。イタリア,チリ,カリフォルニア,オーストラリアでも仕事をこなし,世界の潮流も把握している。最高の土地と人材に恵まれながらも,さらに完璧を期す。ボワスノこそが超一流ボルドー・ワインの伝統の厚みを影で支えている男といえよう。

そのボワスノがマルゴーとオー・メドックに「秘密の庭」と称する小さな畑を所有し,極少量のワインを造っている。


◆技術の伝道者,醸造コンサルタント◆

ボルドーで栽培されるブドウ品種は国際品種と呼ばれる。世界中の生産者がボルドー・タイプのワイン造りを目指すからだ。
赤ワインなら,カベルネ・ソーヴィニヨン,メルロー,カベルネ・フラン。白ワインならソーヴィニヨン・ブランとセミヨン。イタリアやスペインだけでなく,カリフォルニア,オーストラリア,南アフリカなどの新世界でもボルドーを手本にする生産者が大勢いる。

ブドウ栽培やワイン醸造の知識や技術は世界に広がっている。
それは,専門知識を有する醸造コンサルタントが世界中を飛び回って指導しているからだ。
格付けシャトーは有能な醸造や栽培の責任者を抱えているが,コンサルタントは品質のハードルをさらに押し上げる。
広大な畑からの選別とアッサンブラージュによって,間違いなく最良のワインを生産するための保険と言える。

元祖コンサルタントは,ボルドー大学でワイン醸造研究所所長を務めたエミール・ペイノー博士である。
1960年代にコンサルタントを始めた現代ボルドー・ワインの父だ。ワインの酸を和らげるマロラクティック発酵の仕組みを解明した彼が確立した様々な方程式は,21世紀の今も生きている。
まず,完熟した段階でのブドウの収穫。信じられないことに,かつては雨のリスクを恐れ,早摘みが普通であった。
温度管理の可能な発酵タンクやバクテリアの繁殖しない清潔な設備,新樽熟成の重要性,グラン・ヴァンとセカンド・ワインの選別,区画ごとの圧搾や発酵も主張した。
それらの助言が品質を向上させ,実を結んだのが1982年ヴィンテージだった。

今,醸造コンサルタントと聞いて,真っ先に思い浮かぶのはミシェル・ロランだろう。メルローを得意とし,ボルドー右岸のみならず,カリフォルニアやイタリアにも顧客を抱える敏腕醸造家だ。
映画「モンドヴィーノ」で悪役に描かれたため,ますます知名度が上がった。ロランと,白ワインの魔術師と言われるドゥニ・デュブルデュー,それに有機栽培を信奉する右岸の若武者ステファン・ドゥルノンクール。
この3人が助言を与える生産者は,ワイン評論家やワイン商の注目を集める。好き嫌いはあれど,品質が水準以上で,消費者の心をつかまえやすい。

しかし,彼らよりもはるかに経験が深く,強い影響力を誇る影のスターがいる。それが,ジャック・ボワスノ(画像左。右は息子のエリック)だ。

ジャック・ボワスノのオフィスは,マルゴー村からサン・ジュリアン村に抜けるグラン・クリュ街道の途中のラマルクという村にある。
村の一角にある簡素な佇まいがボワスノ親子の拠点だ。メドックの味わいを司るマスターの本拠地とはとても思えない小さなラボラトリー。
ここで,メドック地区第1級格付けを筆頭に,260以上のシャトーのワインを分析している。「分析」とはワインの健康診断のようなものだ。収穫直後のブドウ果汁の状態から瓶詰めまでの間に,多い時は週に2回,各シャトーから分析用のワインが持ち込まれる。
各段階でのワインに含まれる成分を調べ,適切な対応策を助言する。

技術面では,各シャトーの責任者を訪れ,ブドウ栽培の方法や収穫のタイミング,マセラションの時期や方法,費やす時間など,栽培から瓶詰めまでの重要点について議論する。
最も大切なブレンド作業を行う12月から翌年3月にかけては,1日10時間,300種類以上のワインを試飲して回り,各シャトーに助言を行う。
ボルドー・ワインのエッセンスは,他でもなく,品種も区画も異なる多くのワインを混ぜ合わせるアッサンブラージュにある。だからこそ,世界中のワイン愛好家を魅了し続けるメドックの超一流シャトーの責任者が神業のようなボワスノのアドバイスに真摯に耳を傾けるのだ。

ボワスノ親子の出発点は1964年に遡る。父ジャックはポイヤック研究所勤務を経て,1976年に自身の研究所をラマルク村に開設。コンサルタント業務は,現代醸造学の父,故エミール・ペイノー博士の右腕としてスタートした。

1990年のペイノーの引退を機に大半のシャトーのコンサルタントを引き継ぎ,翌年からは息子エリックも参画した。

どの取引先でも,まず畑に行って土やブドウ樹に触れ,それぞれの個性によって生まれるワインをイメージするのが,ボワスノのやり方だ。
ボワスノは「メドックにあるブドウ畑のすべての列を把握している」と言われている。売れ筋の「型」にはめ込むのではなく,畑ごとに異なる魅力を見出し,それぞれの可能性を伸ばすのである。ボルドーのトップシャトーは,栽培・醸造ともに最高の人材を集めているはずなのに,なぜ,醸造コンサルタントを必要とするのか?

シャトー・ラトゥールのオーナー,フレデリック・アンジェラはこう説明する:
「1級シャトーといえども,外部からワインを見る人間が必要です。内部の人間には見えないものがありますから。世界のワインを知るジャックの視点が必要なのです。収穫のタイミングからアッサンブラージュまで,彼はどこに問題があるかわかっています。」

ボワスノが1963年に初めて受けたコンサルタントの仕事が,シャトー・ラトゥールだった。

71歳のボワスノが控えめな口調で語る:
「醸造家は過去を知り尽くしている必要があります。尊重すべきは,過去に造られたワインの歴史なのです。私は幸運なことに,1960年代からのワインの味わいを覚えています。 」

シャトーは企業である。オーナーは時代とともに変わる。
その度に,経営方針も変わる。しかし,ボワスノの舌に宿るテロワールの記憶は存在し続ける。
1級シャトーの伝統の厚みとは,ボワスノのような専門家を雇っているところからも生まれるのだ。
「私が重視しているのはフィネスとエレガンス。ブドウから何でも抽出すればいいというものではありません。必要な要素だけを引き出します。グラン・ヴァンには様々な要素のハーモニーと,バランスの良さが求められます。」

ミシェル・ロランを意識した発言に聞こえた。ロランもペイノー博士の門下生だが,採用する手法は異なる。

「凝縮度と力強さばかり求める最近のトレンドには首をひねります。
地球の温暖化で, ワインは豊かに,そして重厚になるばかり。
ミシェルは知っていますが,友達ではない。
彼の方針に反対はしませんが,賛成もしません。」

コスの元社長で,LVMHグループ傘下「エステート&ワインズ」のCEO,ジャン=ギョーム・プラッツもボワスノを信頼している1人だ。
「ロランは自分が持っている様式に当てはめようとする。醸造コンサルタントは,自分たちが知らない問題点を解決するために雇うもの。ジャックにはそれができます。」

醸造コンサルタントは,医師,教師,心理学者など様々な役割を担っている。相手が1級シャトーでも,自分の考えを伝え,間違いを正す。
ボルドーのトップ・シャトーが高い品質を保ち続けるのは,最高の土地と人材に恵まれていながら,さらにコンサルタントという保険をかけて,改良と進化を怠らないからなのだ。

この『2012 ジャック・ボワノス / シャトー・レ・ヴィミエール』はステンレスタンクでアルコール発酵の後,マセレーションを行い,圧搾。その後,アリエ産のバリックに移しマロラクティック発酵と熟成。
新樽比率30%。熟成期間18ヶ月熟成。
バリックはタランソー,ナダリエ,ソーリの3つの樽会社のものを併用。
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